人間は血液循環によって各組織、末梢にまで栄養分をとどけています。
心臓から出た動脈血が全身に行き渡り、
栄養交換ののち静脈血となって また心臓に戻ります。
しかし、この身体中を巡る血液循環は心臓だけのポンプ作用だけでは
到底足りません。
では、どのように血液は心臓に戻ってくるかというと、
静脈の周りにある筋肉が伸び縮みする事によって
血管に圧力をかけポンプの役割を果たし心臓へ戻っていきます。
この働きは筋肉で静脈を圧し進めていく動きが
牛のミルク搾り に似ていることから
「ミルキングアクション 」と呼ばれています。
人体の血液は重力の影響により 60〜70 % が下半身に集まっています。
その下半身の血液は重力に逆らい心臓に戻らなくてはなりません。
そのため立ち仕事や長時間の座り仕事、極端な運動不足は下半身の
むくみや だるさ、冷えの原因につながります。
さらに足がむくみ 静脈血の戻りが悪い状態が慢性的になると、
腰や肩にも悪影響を及ぼします。
ふくらはぎは心臓から一番遠く大きい筋肉です。
筋ポンプ作用で静脈血を圧し上げる際、たいへん重要な筋肉であるといえます。
質のいい筋肉とは、筋肉量がありやわらかく柔軟性のある状態ですから、
適度な運動とストレッチ、軽めのマッサージはとても有効です。
当院でも腰痛を訴える患者さんのふくらはぎを触ると、
カチカチに硬くなっている方が多いです。
腰の筋肉とふくらはぎの筋肉を緩めることで体が楽になっていき、
むくみや冷えの予防になります。
そして、たまには いつも頑張ってくれている
ふくらはぎを意識して伸ばしたり温めたりマッサージしてあげましょう。