いつのまにか骨折 とは、背骨の圧迫骨折など骨粗鬆症を患う高齢の方が知らないうちに骨が折れたり潰れてしまう病気です。
特別な病名ではなく当院の患者さんでも何人もいらっしゃいます。
背骨の圧迫骨折は強い痛みを伴う場合と、全く痛みがない場合があります。
レントゲンを撮った時に指摘されて初めて気づくことも多いようです。
強く痛みを伴う場合は入院することもありますが、治療といっても基本的には安静と自分の体に合わせた幅の広いコルセットの着用が中心になります。(潰れた骨に特殊なセメントを注入する手術法もありますので痛みの強い場合は病院にご相談ください)
動けない程の強い症状でも1ヶ月ほどで治っていきます。
その後は普通の生活に戻れますし、スポーツを始めることも充分可能です。
(圧迫骨折になる方は骨粗鬆症を患っている場合が多いので無理はできませんが)
問題だと思うことは、「圧迫骨折は治らないよ」といわれてしまい患者さんの意識に強くインプットされてしまう事です。
実際、潰れてしまった骨のかたちが戻ることはありませんが、患部の炎症さえ落ち着けば痛みなく生活できるようになります。
例えばその後、筋肉が原因の腰の痛みを感じるたびに、「私は圧迫骨折があるからだ」と思いながら生活していくのはよくないと思います。
プラシーボの反対語でノシーボ効果というのがありますが、必要以上に怖がってしまうことで症状が悪化したり痛みが慢性化してしまいます。
(自分自身に否定的な暗示をかけてしまいます)
腰椎分離症や狭窄症、ヘルニアでも深刻な病態でなければ同じことがいえます。
いずれも病名にとらわれず、 痛みが治れば頭を切り替えて生活習慣に気をつけながら日々の生活を楽しんでいけばよいのです。